初代理事長のつぶやき(30)スーパーモデルの最後の旅

初代理事長のつぶやき

5月5日は、9年間担当してきた被保佐人さんの葬儀・火葬・納骨でした。熱海に菩提寺があって、その日のうちに納骨も済ませてきました。被保佐人さんは93歳でした。とても気品があって、綺麗な方でした。お化粧が大好きで、化粧品を買ったりマニュキアをしたりするのが趣味でしたので、お顔の脇にそっとお化粧道具も納棺してあげました。

 5、6年前の11月11日のことですが、この日は介護の日です。資生堂が、たまには介護をしている人もお化粧をして疲れを癒してくださいとのイベントを開いていました。介護を受けている人も参加させて欲しいと事前に了承を得て、顔馴染みのヘルパーさんに同行を頼んで、スーパーモデルと称して会場に乗り込みました。会場にはテレビカメラも入っていて、案の定会場で一番注目されました。皆から綺麗、綺麗と言われ満面笑みを浮かべていました。でも、帰りのタクシーの中で「私、資生堂ではなくポーラを使っているのよ」と言われてしまいました。

 このヘルパーさんには、その後も月に1、2回話し相手として特別養護老人ホームに訪問してもらっていました。親族は誰もいないので、葬儀の参加者は私とこのヘルパーさんだけでした。遺骨となったスーパーモデルさんは、ヘルパーさんの胸に抱かれて熱海まで最後の旅でした。合掌!(2015.05.06)

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