初代理事長のつぶやき(132)権利としての成年後見制度

初代理事長のつぶやき

私は、40年近く横浜市で生活保護行政に携わってきました。2017年5月7日、社会保障の学者小川政亮さんが亡くなりました。学生時代に小川政亮さんが著した「権利としての社会保障」や小川さんが原告側証人として関わった朝日訴訟に学びました。
 これまでの成年後見制度の運用は、判断能力の不十分な高齢者・障がい者にとって与えられたものに過ぎなかったのではないか。これからは、権利として行使できるものでなければならないのではないか。大上段に構えるなら、
・憲法第13条 幸福追求権
・憲法第14条 法の下の平等
・憲法第25条 生存権
・憲法第29条 財産
・憲法第31条 法定手続きの保障 

これら憲法上の各理念から導き出されるものではなければならないのではないか。家事審判法が家事事件手続法に変わり、子どもの手続代理人が明白にされたのと同様に、判断能力の不十分な高齢者や障がい者にも手続代理人が、明白にされなければならないのではないか。特に、資力の乏しい人の場合、法テラスを利用しなくとも、軽微且つ紛争性がなければ非弁護士にもその途が拓かれているべきではないのか。法人理念として、「資力の乏しい人の身上監護を重視する」と掲げ、成年後見の業務に邁進する中で強く実感しています。(2017.8.4)

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