初代理事長のつぶやき(266)83番目の審判書

初代理事長のつぶやき

2019年9月25日、83番目の審判書が届きました。Aさんの補助開始審判書です。Aさんは、現在D病院に入院ししています。Aさんの最初の相談は、7月11日で最初に入院していたB病院の元MSWからでした。 A さんは、身寄りがなく生活保護を受けながら一人暮らしをしています。認知機能が低下してきたご本人と元MSWとは、今後の生活についてある程度話し合いが出来ていました。早速 元MSW と生活保護担当CW及びつばさとで協議を行いました。協議の結果、認知機能がもっと低下する前に、つばさを補助人候補とし、本人自身が家裁申立する方針となりました。
A さんは、人工透析を受けていて在宅生活継続は困難で、退院後は老人保健施設等を検討する方針が立てられました。その後 A さんは、施設入所待機のため C 病院、D病院と転院しました。その間に、老人保健施設やサービス付き高齢者住宅を見学しました。私も同行しました。
9月10日、D 病院で家裁出張面接が行われ、10日後の9月19日に審判が出たのです。相談から2ヶ月少しで成年後見制度利用につながっています。
申立としては、綿密な代理権の設定・同意権の設定などがあり、申立の中では難しい部類に入ります。しかし、支援者がしっかり連携すれば法律に素人の福祉関係者でもこれくらいのスピード感で審判を得ることができます。
地域で成年後見制度利用が必要にも関わらず促進が出来ないのは、「申立支援」が不十分だからです。
この事例の申立プロセスでも問題が生じました。何故、法テラスを使わないのか、申立費用は生活保護では給付できない、助成事業は区長申立に限る等です。
この点については、既に横浜市宛に要望書を提出しています。10月18日に横浜市健康福祉局生活支援課長とも話し合いました。
この事例は、この先借りているアパートの契約解除や家財道具の撤去を行う必要があります。ご本人はもとより、関係者と連携し対処していく予定です。

実は、現在身寄りのない人の保証人問題が社会的課題になっています。資力のあるなし、判断能力のあるなしに関わらずです。この事例は、判断能力の不十分な場合に当たります。資力のある場合は保証人会社が暗躍しています。野放し状態になっています。次は、舞台を政治の場に移す必要があると思っています。(2019.10.25)

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