まず、次は2017年7月23日の朝日新聞「天声人語」です。
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挑戦する人は多いが、なかなか通読できない本がある。代表例が、今年で出版150年となる『資本論』だろう。著者のマルクスは生前、難解だと苦情を聞かされると「労働日」の章を読んでくれと言っていたそうだ。英国にはびこる長時間労働を扱っている▼「わたしたちも普通の人間です。超人ではありません。労働時間が長くなるとある時点で働けなくなるのです……頭は考えるのをやめ、目は見るのをやめるのです」(中山元〈げん〉訳)。事故を起こしたとして裁判にかけられた鉄道労働者の言葉だという▼読んでいくと、本当に19世紀の記述なのかという気がしてくる。食事の時間を削られ、働かされる人たちがいる。納期に追われ過労死した若者がいる▼現代の日本は、またも過労の犠牲を生んでしまったか。新国立競技場の建設工事にあたっていた20代の建設会社員が失踪し、自ら命を絶った。失踪前の1カ月間は211時間の時間外労働をこなしていたという。人間よりも工期が優先なのか、違法状態がまかり通っている▼残業時間を規制するため法改正の動きはあるが、どうも様子がおかしい。「残業代ゼロ」法案を通そうという流れが同時にあり、将来、規制の抜け道に使われるのではと危惧される。対応をめぐって連合内部で意見が割れ、労働界は大揺れである▼労働者が死と隷従に追いやられるのを防ぐ。そのための強力な法律を――。マルクスはそんな訴えで章を終えている。悔しいことに、少しも古びてはいない。
現在放映しているNHK連続テレビ小説「ひよっこ」に出てくる慶応大学の学生島谷の書棚にイギリスの経済学者ジョン・メイナード・ケインズが1936年に著した経済学書「雇用・利子および貨幣の一般理論」がありました。気になっていました。
私が大学で学んだゼミの教授は、マルクス経済学者でした。ゼミの中ではマルクス経済学を学ぶ学生とケインズ経済学を学ぶ学生がいました。私は後者でした。50年以上も昔の話ですが、今ですと、水野和夫の「資本主義の終焉と歴史の危機」「閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済」などを読みたいと思うのですが、、、(2017.7.23)