成年後見制度の監督業務は、言うまでもなくこれまで家裁が果たしてきました。最高裁家庭局は、財産管理に偏っていた成年後見制度をこれからは身上保護も重視するとしています。しかし、家裁は福祉業務に精通している訳ではありません。また、本来審判業務だけを果たすべきところと思います。
ネット上の情報によると、成年後見制度における監督機能について、成年後見法学会の新井 誠さんが、自民党政務調査会でその機能を家裁から分離して、他の機関に移転させる方策を提言したと伝えられています。
一方、最高裁家庭局が既に打ち出している改革では、その機能を福祉行政(中核機関)に求めています。
問題は、中核機関がどれだけできるかです。中核機関を福祉事務所が担うのでしたら話は別ですが、そうではないようなので私は正直疑問に思っています。
成年後見制度利用促進の事務局は、平成30年4月に内閣府から厚生労働省に移管されています。
その厚生省(当時)では、平成9年頃社会福祉基礎構造改革において、その理念を具体化する仕組みの一つとして福祉サービスの第三者評価事業を導入しています。
私は、現在横浜市第三者評価推進委員会の委員の一人ですが、法人後見ならこの「評価」という手法に期待できると思っています。「評価」の目的は、サービスの質の向上ですが、同時に監督・監査の色合いも若干兼ね備えています。「評価」を行うために法改正の必要もないし、何よりも多額の税金投入の必要もありません。私たちは、今独自の評価項目・評価基準などを策定し「評価」の準備に入っています。(2019.07.07)