初代理事長のつぶやき(256)福祉の専門職による対人支援

初代理事長のつぶやき

2019年7月16日の厚生労働省:地域共生社会推進検討会中間とりまとめの中に「対人支援において今後求められるアプローチ」 として二つのアプローチが提案されています。つばさの後見支援は「具体的な課題解決を目的とするアプローチ」、後見的支援は「つながり続けることを目的とするアプローチ」に当たると思います。

——————————

○福祉の専門職による対人支援は、
・具体的な課題解決を目的とするアプローチ
・つながり続けることを目的とするアプローチ
に大別できる。

○ このうち、具体的な課題解決を目的とするアプローチは、本人が有する特定の課題を解決に導くことを目的とするものである。このアプローチを具体化する制度は、それぞれの属性や課題に対応するための支援(現金・現物給付)を重視した設計となっている。このアプローチは、その性質上、本人や世帯の抱える課題や必要とされる対応が明らかな場合に有効である。

○ これに対して、つながり続けることを目的とするアプローチ(以下「伴走型支援」という。)は、支援者と本人が継続的につながり関わりながら、本人と周囲との関係を広げていくことを目的とするものである。それを具体化する制度は、本人の暮らし全体を捉え、その人生の時間軸も意識しながら、継続的な関わりを行うための相談支援(手続的給付)を重視した設計となる。また、伴走型支援は、生きづらさの背景が明らかでない場合、8050問題など課題が複合化した場合、ライフステージの変化に応じた柔軟な支援が必要な場合に特に有効であるが、同時にこれは、直面する困難や生きづらさの内容にかかわらず、本人の生きていく過程に寄り添う支援として、広く用いることができる。

○ 対人支援においては、一人ひとりの生が尊重され、自律的な生を継続していくことができるよう、本人の意向や本人を取り巻く状況に合わせて、2つのアプローチを「支援の両輪」として組み合わせていくことが必要である。特に、冒頭に示した日本の福祉政策の課題と個人を取り巻く環境の変化に鑑みれば、つながり続けることを目的とするアプローチの意義を再確認し、その機能を充実していくことが求められている。

○ そして、いずれのアプローチにおいても、本人を中心として寄り添い伴走する意識をもって支援に当たることを、今後より重視していくことが求められている。(2019.07.20)

タイトルとURLをコピーしました