初代理事長のつぶやき(262)サービスの質の向上

初代理事長のつぶやき

私たちは、平成28年度に厚生労働省の指定課題「成年後見制度の理解促進及び適切な後見類型の選択につなげることを目的とした研修の開発及び、法人後見における利益相反に関する研究」を受託し、その報告書の最後に次のように書きました。

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厚生労働省への事務移管

今後の事務について、促進法附則第3条において、促進法施行の日から2年を超えない範囲内において政令で定める日に内閣府に置かれた促進会議及び促進委員会を廃止し、新たに成年後見制度利用促進会議及び成年後見制度利用促進専門家会議を設け、その庶務を厚生労働省が所管するとなっている。 これまでの成年後見制度自体の所管は、法務省なのか最高裁判所なのか定かではないが、その本籍地が福祉サービス所管の厚生労働省に移ることは、身上監護に力を入れてきた私たちは歓迎である。
今まで以上に、私たちは地域で真に成年後見制度利用が必要な人にはその利用促進に努めたいと思っている。
 振り返ると、2000年の介護保険導入時に車の両輪と称して新しい成年後見制度が導入された。当時厚生省では、戦後半世紀近く続いてきた社会福祉事業、社会福祉法人、措置制度など社会福祉の共通基盤について、今後増大・多様化が見込まれる国民の福祉の要求に対応するためとして、社会福祉基礎構造改革に取り組んでいた。具体的には次のような取り組みだった。

○利用者とサービス提供者の対等な関係の確立
●そのための措置から契約へ

○利用者による選択の尊重
●そのための情報の提供

○権利擁護のための利用者保護の仕組み
●そのための苦情解決の仕組み

○サービスの質の向上
●そのための第三者評価や事業の透明化などなどであった。

成年後見制度の厚生労働省への事務移管を機に、成年後見の分野でも「自然人が原則」とか「法人後見は限定的に」とかの狭い議論ではなく、利用者主体で、利用者による選択で様々な後見サービス提供主体が、その提供するサービスの質によって選ばれる分野であって欲しいと強く願っている。

そのような思いで私たちは今まで以上に切磋琢磨し、質の良い後見サービスを提示し、地域で真に成年後見制度利用が必要な人に選択されたいと願っている。以ってその利用促進に努めたいと思っている。(2019.10.12)

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