2019年9月下旬に、横浜市における成年後見制度利用促進に向けた検討委員会中間報告書〜横浜市にふさわしい権利擁護支援の地域連携ネットワークの構築及び中核機関の提案〜なるものが公表されました。
横浜市の中核機関については、この4月以降第4期地域福祉保健計画策定委員会とその第3分科会で秘密裏に行われてきたようです。まず横浜市のこうした秘密主義に疑問があります。国を見ても、他都市を見てもプロセスを公開しています。当然のことです。
次に内容です。
中核機関に求められる機能は、
① 広報機能
② 相談機能
③ 成年後見制度利用促進機能
④ 後見人支援機能
⑤ 不正防止・監督機能
等です。
従って、横浜市でもてっきり横浜市の中核機関がこれを担うものと思ってきました。横浜市は言わずと知れた370万の基礎自治体最大の都市です。それなりに工夫が必要というのは良く分かります。報告書によれば、中核機関と市協議会及び区協議会を設置するようです。もっとも、区協議会というのは現存の区サポートネットを指すようです。しかもこれを地域連携ネットワークと呼ぶそうです。どうやら横浜市にふさわしいとは、これを指しているようです。私もかって、あっちこっちの区サポートネットに出ていましたので、その実態は承知しています。私たちは、地域連携ネットワークとは、文字どうり地域で個別事例の課題解決のために構築すべきものと理解します。既にいくつか試みてきました。
一方で、次の五つを横浜における権利擁護の相談支援機関と位置付けています。
① 区役所福祉保健センター(高齢・障害支援課)
② 地域包括支援センター
③ 基幹相談センター
④ 横浜生活あんしんセンター(市社協)
⑤ 区社協あんしんセンター
市民からの権利擁護の相談、申立支援、後見人へのチーム支援を担う実戦部隊となるようです。
市協議会は、市全体の司令塔的な役割 区協議会への専門職の派遣
中核機関は、その事務局の役割を担うそうです。
区協議会は、各相談支援センターのスキルアップに努めるそうです。
因みに、市協議会は年に2回開催、区協議会は年に3回程度開催だそうです。本来、地域連携ネットワークというのは臨機応変に開催されるべきものです。
もう相談支援機関から、相談に乗ってください、申立支援をやってください、受任をしてくださいとの丸投げはなくなるのでしょう。私たちもスピード感を持って、自力でやることを切に望みます。
しかし、決定的な欠陥は、相談、申立支援、受任がワンストップではないことです。純粋な民間の法人後見実施団体活用の視点がないことです。莫大な時間と税金を投入して、どれだけ効果を発揮する仕組みが構築されるのか、納税者として注目していきます。
最後になりましたが、私たちが官制の仕組みの単なる傍観者であっては、主人公の市民が困るだけなので、私たちは純粋に民間の立場で、自主的にこれまで通り相談・申立支援・受任を一体的に進めていきます。事情によっては、利用者のために相談支援機関への協力の途を残します。また、法人後見実施団体の設立に協力したいと思います。( 2019.10.25)