初代理事長のつぶやき(71)成年後見制度利用促進法に思う

初代理事長のつぶやき

今回の成年後見制度利用促進法について、3、4年前に日本成年後見法学会が明らかにし与党に働きかけ始めた頃から、さらには昨年一年間、内閣府に設けられた障害者政策委員会、厚生労働省社会保障審議会障害者部会での議論、そしてこの2週間ばかりの法案国会上程後の審議経過を注意深く見守ってきました。促進する与野党と執行する行政は、成立した法と付帯決議を誠実に実行してください。それを監視するのは、私たち国民の義務であり権利です。

また、反対した野党は、目指す意思決定支援制度の実現に努めて欲しいと思います。目指す方向には同感です。参議院内閣委員会で反対した共産党の委員の論旨は明快でした。日本弁護士会の提案した「成年後見制度から意思決定支援制度へ」にも言及されました。これをまとめた川島志保弁護士は、先般の神奈川県社協主催の講演会で成年後見と意思決定支援は矛盾しないとも述べておられました。

一方で、私の脳裏には意思決定支援の名の下に代理・代行を行うとの識者の一言が突き刺さっています。

私たちは実務家です。日々行政や市民から相談が持ち込まれます。理想を求めるために現実を放置しておくことはできないのです。苦悩しながらも良質な法人後見に取り組みたいと思います。来週厚生労働省に行く機会に恵まれました。この思いを伝えたいと思います。(2016.04.07)

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