特定非営利活動法人よこはま成年後見つばさは、判断能力の低下した人々の権利擁護を目的に、2011年10月12日に認証された、主として成年後見制度の利用相談・申立支援及び法人後見受任をワンストップで行う団体です。
メンバーは、横浜市社会福祉職OB等で福祉事務所、児童相談所などのソーシャルワーカーとして豊富な生活相談の経験があります。実践力のある福祉相談のプロ集団です。
1. 設立経緯
横浜市は、福祉事務所などで働くケースワーカーを社会福祉職として採用してきた全国でも稀な自治体です。社会福祉職制度を導入して、既に半世紀を越えます。
2011年3月19日、横浜市が設置した東日本大震災の一時避難所たきがしら会館にその横浜市社会福祉職OBが生活相談に結集しました。集まった社会福祉職OBたちは、今度は、本人意思の尊重や身上保護を重視した成年後見制度の法人後見を実施するためにスクラムを組み、2011年10月12日に特定非営利活動法人よこはま成年後見つばさを設立しました。神奈川新聞は、直ちに福祉職OBらスクラムと報じてくれました。
2. 後見業務経験
つばさの中枢を担う人たちは、長年、神奈川県社会福祉士会のぱあとなあに所属して成年後見業務の実績を積んできました。その経験の上に立ち、今度は法人後見のメリットを活かし、この横浜の地で純粋に民間の立場で法人後見の分野を切り拓くことにしました。
2011年10月26日、神奈川新聞は社説でモデルケースになる取組を進めてほしいとエールを送ってくれました。
3. 法人受任
法人が設立されると市内三区から相談があり、それぞれ区長申立の事案の後見人候補者になりました。そして2012年2月15日、1番目の事例について受任できました。横浜でNPO法人による最初の法人後見です。しかし横浜家庭裁判所の考えで1年間に1件だけとされ、弁護士が後見監督人に付きました。この間私たちは受任事例に一生懸命取り組み、法人組織を整備し「担当者養成講座」を開講して本格稼働に備えました。
4. 本格稼働
2013年2月20日、横浜家庭裁判所の三人の調査官と本格稼働に向けた話し合いを行いました。一年間の業務報告の他・役員は後見業務を十分経験していること。・担当者の多くはソーシャルワーカーの経験者であること。・スーパーバイザーの配置及び後見業務検討会を設置し、担当者のバックアップ体制はできていること。・チーム対応、組織運営に長けていることなど詳細に法人適格性を説明しました。監督人の弁護士にも問題なしとして辞任していただけました。主任調査官から、今後法人後見を目指す団体のモデルになるでしょうと評価されました。その結果、2013年4月18日に2番目の事例を受任することができました。
5. 認定NPO法人
2015年12月1日、認定NPO法人になりました。認定に当たっては、特に経理処理が適切かどうかの厳重な審査を受けました。これを機に、経理処理や組織体制、財政基盤を整えました。また成年後見制度の利用相談、申立支援、法人後見受任の一体的取り組みに加え、次のことにも取り組み、広く権利擁護に努めています。
① 法人後見の普及・啓発
② NPO法人による法人後見実施団体立ち上げ支援
③ 申立支援専門員の育成
④ 親族後見人・市民後見人への支援
⑤ 法人後見の第三者評価システムの導入
⑥ 余暇活動支援の強化
⑦ ミクロ・マクロ・メゾの活動
⑧ つばさ基金の活用
⑨ その他
6. 法人後見で先駆的成果
2015年12月3日、「法人後見で先駆的成果」と題して神奈川新聞特報面につばさの活動が掲載されました。三回に渡る綿密な取材でした。当時、国では内閣府障害者政策委員会と厚生労働省社会保障審議会障害者部会で「成年後見制度の利用促進の在り方」を巡って議論が進んでいました。弁護士会を中心に「成年後見制度から意思決定支援へ」の議論がありました。与党による「成年後見制度利用促進法案」提出の動きが伝えられていました。これらを背景に、現場の実態はとのことで神奈川新聞の記者が取材に来らました。この記事は、私たちにとっては、2011年10月26日の神奈川新聞社説の中でつばさに期待されたことへのその後の検証であり、成長したつばさの回答でもありました。
7. 現況
2006年から講談師の神田織音さんと連携し、成年後見制度の普及・啓発にユニークな活動をしてきた「一般社団法人 成年後見事務所 アンカー」は解散し、つばさに合流しました。
毎年「法人後見専門員養成講座」を実施し、独自のカリキュラムで担当者養成に努めています。また、申立支援専門員を養成・認証し、申立支援にも力を入れています。
2019年6月管理者1名、相談支援専門員1名で「計画相談室ウィング」を開設しました。翌年から相談員を1名ずつ加え、現在は支援相談員4名となり、長年障害福祉のソーシャルワーカーとして経験豊富な相談支援専門員が常勤で対応しています。
資力が乏しくとも容易に使える成年後見制度を目指して「誰にも等しく権利擁護」と定めたつばさの基本理念実現のため、チームで課題に取り組み、ご本人がより良い生活が送れるようこれからも最善を尽くしていきます。
< 基本理念 >
*誰にも等しく権利擁護*
<行動指針>
私たちは、後見制度を通して誰もが等しく権利が守られるよう次のように行動します。
1. 相談力、コーディネート力等の発揮
ソーシャルワーカーとして培った相談力、コーディネート力、
課題解決力を発揮します。また、地域のネットワークを活用し、
ご本人にとって最善の利益を追求します。
2. 身上監護の重視
ご本人の意思を尊重し、寄り添いながら生活の質の向上に努めます。
3. 安心な社会創り
誰もが等しく権利を守られ、いつまでもその人らしく安心して暮らせる社会をめざします。
< 法人概要 >
法人名 | 特定非営利活動法人よこはま成年後見つばさ |
代表者 | 代表理事 篠﨑 美代子 |
所在地 | 〒240-0066 横浜市保土ケ谷区釜台町5番5号ルネ上星川5ー202 →アクセス TEL. 045-744-5600 FAX. 045-744-5600 |
設立 | 2011年10月12日 |
会員数 | 93名(2024年7月現在) 社会福祉士、精神保健福祉士、介護支援専門員 介護福祉士、社会保険労務士、行政書士、看護師ほか |
賛助会員数 | 132名(2024年7月現在) 内訳:個人120 団体12 |
役員 | 代表理事 篠﨑 美代子 副代表理事 熊谷 美江子 副代表理事 齋藤 聡子 副代表理事 林 智子 理事 熊谷 雅樹 理事 川村 美智子 理事 横山 秀昭 理事 村上 博子 理事 井上 裕子 監事 川中 洋至 |
定款 | つばさの定款 |
ご案内 | つばさのリーフレット |
設立趣意書 | つばさの設立趣意書 |
事業報告・会計報告 | 内閣府ポータルサイトよりご覧いただけます。 |